パンプスを売るのが難しかった話と、足のゆびの話

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フィッティングに困った靴の話

私はもともと、靴販売員でした。お客様がレジに持ってきた靴を会計する…だけではなくて、フィッティングが仕事の「シューフィッター」でした。

でもフィッティング調整がしにくい靴があります。プレーンパンプスです。

パッと見ぴったりそうだけどかかとが抜ける、程度のものなら何とかしようもあるのですが…問題はかかとに指が1本入るくらいの隙間がある靴。でもこれ以上サイズを下げるとゆびが痛くて歩けない! わかりますよその気持ち。「前に中敷き入れれば~」ってよく言われますよね。いや、もうそういう範囲じゃないし、前にばっかり詰めたらまた痛くなるから意味ないって…と思うやりとり。

よく使われる言葉に「前滑り」というのがありますが、これは前滑りのレベルではない…「後ろ余り」です。後ろが長すぎる。

こういうパンプス、販売員の立場からしても非常に売りにくかったです。最初から後ろ短く作ってくれたら、お客様も販売員も困りごとが減るのにな。すごくシンプルな話だと思うのにな。とよく考えていました。

そういう想いもあって、Anna’s Winkelのパンプスは「後ろ短め、前長め」に作っています。

足のゆびの話

そもそもプレーンパンプスは、後足部(足のおやゆびとこゆびの付け根から後ろ側)の長さを合わせることがかなりシビアに求められます。そして手の指の長さに個人差があるように、足のゆび(足趾)の長さも長い・短いがあります。同じ足サイズ21.5㎝だとしても、足のゆびの長さが違えば、合う靴は変わります。

そして流通している靴のほとんどが「足のゆびが短い人向け」になっています。たとえコアサイズ(23~24㎝くらい)でも、足のゆびの長さがふつうくらいの人、長い人は靴探しがハードになりがち。その上プレーンパンプスはフィッティングがシビア。そもそも小さいサイズは作ってない…後ろ短め前長め、で小さいサイズのプレーンパンプスを作るに至ったわけです。

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